ガチャポンプへの道

3.小学生の頃
ccc

娘が小学校3年生の終わり頃、いまの借家に引っ越ししてきた。前の前の前にこの家に住んでいた人が近所にいる。そのおじさんに昔この家の庭で水を汲み上げていた話を教えてもらい、

「え!じゃ。今も鉄管、埋まってるんですか?」と聞き、

「うん。埋まってると思う」

「へ? その鉄管、生きてますかね!」

「うん、生きてると思うよ」と言うので、

掘ってみました。昔フェンス屋でアルバイトしてたので穴掘りは得意なんです。で 出てきました。外径の直径が40ミリでした。ですぐホームセンターへガチャポンプを買いに直行。

ホームセンターで「あのーガチャポンプ売ってますか?」

店員さん 「はあ?」 ん なに ガチャポンプをしらないのか?

手振り身振りで説明。「こうやって手動で地下水を汲み上げるテコの原理のポンプです、アンダスターンド?」

店員さん「あ それ ないです 売ってないです。」

「へ?ない?どこで売ってますかね 今?」

店員さん 「さあ?」

そうか今売ってないのかぁぁあああ。

ネットで調べて見る。オークションか?と思ったがない。楽天で出てきた。35ミリと32ミリタイプのどちらか2種類、¥13440(税込み送料無料)。でも鉄管を足さなきゃならないし40ミリと35ミリジョイントしなきゃならないし40ミリの鉄管なんてホームセンターに売ってない。せいぜい25ミリどまり。で 他のホームセンターにも行ってきたが無い。どうしよう、とりあえず本体を確保すること考えるか?

後日1条通りのポンプ屋さんで取り寄せてくれることが判明、がしかし3万円以上するとな?た 高!

で リサイクルショップに架電しまくりました。たしかにリサイクル屋さんではたまに出るらしい、相場は¥6000-¥6500くらいらしい。他のリサイクル屋さんへ行く。

1こあった、が、こわれている。パッキンも巻きなおさなきゃいけない。で、¥10000だそうだ た 高!

「今はオブジェとして使う人がいるんで結構人気なんですよ」と女主人の言葉。

骨董品屋さんへ架電。

「いやー この前まであったんだけど 売れちゃったわー」

で大通りの骨董品屋へ行く。

主人「んー今ないねー たまに出るけどねー でもあっても使えないものばっかだと思うけどなー 新品買ったほうがいいんでないかい?」

ポンプ屋さんで3万円するといわれた旨をつげると、

「え?そんなに しないと思うよ」

するとその主人の友達なのか、一緒にお茶を飲んでいたおじさんが、

「鷹○のポンプ屋さんに電話してみな!安いはずだよ、ほんと!」

と、教えてもらいネットで 鷹○ ポンプで検索。一件もヒットしなかったので、鷹○ 設備 で検索すると3件ほど出てきた、そのうち水道関係のところに架電。

「あのーガチャポンプ扱ってますか?」

「え?あ?最近ぜんぜん注文ないけど取り寄せたらあるよ 」

まだ若干製造しているらしい。

「いくらくらいですか?」

「えーと、だいぶ前のことだからわすれたなぁ調べて電話してあげるわ、自分でつけられるの?」

「いえ素人なのでできれば付けてもらいたいのですが、あんま予算がないので予算オーバーの場合、自分で付けてみようと思います。」

で外径の直径が40ミリの鉄管が埋まってた話をしそれも含めて値段を知らせて欲しいと告げる。

親切だった。みんなこんな人だったらいいのに。10分もしないうちに電話があった。ポンプは¥8000、付け足す鉄管¥2000、出張労賃¥6000、計¥16000 や 安!

「あのー早速お願いします。入りしだいお願いします。」

それから1時間くらいして夕飯を家族で食べていると、さっきの鷹○の斎○工業さんから電話があり、

「在庫があったので今すぐ付けに行ってもいいかい」

「へ?今? ですか? あ いや お願いします お願いします」

今日付けないと明日から違う仕事が入ってるらしく、しばらく付けにこれないらしいとのことであった。

ということでおっちゃん2人がすぐ到着。あっというまに寸法測って 車に積んであった鉄管切で、鉄管切って、ネジ切して設置。思ったとおりだった、水はすぐ出た。しばらく土砂ばっかりだったがだんだん透明の水が出てきた。

それにしてもこの斎○工業に問い合わせの電話をしてから、2時間後にガチャポンプが我が家に設置されたのでした。話の早いとこにあたるとこんな感じなんですね。

懐かしいです、ガチャポンプ、おいらが子供の頃はあたりまえだったのですが、今めずらしくなっちゃって この

娘はポンプを動かすと地下水が出てくることに喜ぶ喜ぶ。おだってしょうがなかった。

ま 花に水やったり車あらったり、くらいですけどね。で 排水管も埋まってると聞いたので、どっかでシンクの中古かってきて、流し台も作ろうかと。

うちの親が田舎で暮らしていた頃はガチャポンプがなんと家の中にあったそうだ。冬、水を落とし忘れて凍ってしまい、融かすのにひどいめにあった話を二人でしいた。

昔はこれを飲み水にしてたんですよね。今は畑に薬とかまくし自然界に存在しない物質が土の中に溶け込んでるので飲み水にはならないのでしょう。

あー なんか感無量であります。

そういやヘレンケラーが最初に覚えた言葉はガチャポンプから出てくる水だったそうだ。というか彼女の教育者サリヴァン女史が彼女に最初に教えた概念は水だった。その水はガチャポンプから出てくるものだったらしい。だからなんだと言われそうだが、このガチャポンプを見てなんともいえぬ郷愁に襲われるのは俺だけなのか?

タイトルとURLをコピーしました