今年はミニ実験をしている。メロンの鉢植え栽培だ。
鉢と言っても下の方にスリッドと呼ばれる切れ目が入っている多角形のトラップ鉢。1個1000円くらいする。年金暮らしの自分にはちと痛い値段だが、しかし、これにより根っこがルーピングしなくなり、土の90%を使おうとするため、地植えより育つのではないかと睨んでいる。(植物の根っこというのはスリッドまで伸びると空気に触れることになり、空気に触れるとそこで伸びはとまり、しかし生きようとするため、それ以外の場所から根っこを伸ばそうとする。)。一般に鉢植えではなぜ植物が育たないかというと、根っこがルーピングするため土の体積の20%しか使わない。なので育ちが悪い。というかあんまり大きく育つと管理できなくなるため、わざとルーピングさせて成長を制御させたいため鉢を利用するという場合もある。
なんでわざわざ鉢かというと、スイカやメロンを甘くするには収穫の2週間前から水と肥料を断ち切らなければならない。2週間そのストレスをメロンに与えることにより、葉っぱや根っこから死にたくないがために養分を吸い尽くそうとする。それにより糖度があがる。日本は多雨なため2週間も水分を断つことはハウスでも持っていなければできない。鉢だと移動できるため、収穫2週間前に屋根のあるところに移動し、完全に水分をシャットアウトしようと計画している。(ハウスは周りに振った雨の水分を(ハウスの大きさにもよるが)吸ってしまうため、100%水分をシャットアウトできなるわけではない。)
写真はアーリーレッドの赤肉。青肉の方が甘いのができるが、しかし売れるのは赤肉。なので赤肉にこだわろうと思う。
ちなみに毎年、こんな感じで評論家風情きどりで立派な屁理屈とともにいろいろ実験を試みているが思い通りにうまくいったことはほとんどない。
しかし、これがうまくいけば、1株から1.3k以上のメロンが5個以上収穫できて糖度14度以上のものが収穫できれば、畑でなくてもいいことになる。畑もハウスもいらない。トラップ鉢の方がおいしいメロンができる。となれば、なんとステキなことだろう。